ダイニングチェアー リペア ~ 8年ぶりの再会 ~
昨日は、季節外れの大嵐。
そして、うって変わって気持ちの良い晴天。しかし風がとても強く、花粉が。。。辛いです。。
今日は、ダイニングチェア修理が完了したので納品に行ってきました。
このウォールナットのダイニングテーブルとチェアーのセット。
8年前、僕がまだ木工所の雇われ職人だった頃、
高校時代の親友から、「弟が家を建てるので、ダイニングセットを作ってくれないか?」
と話がありました。
その頃はちょうど、「自分の工房を持ちたい」 と思っていた時期で、
予算は20万円だったかな? 材料代は、たしか7万円弱。
残りのお金で中古のガタピシな木工機械を買い、
初めて勤め先の設備は使わずに、自宅の車庫で作った想い入れのある作品です。
先日、「椅子の後脚がグラグラする」 と連絡があり、引き取りに行きました。
8年ぶりの再会です。
8年の歳月により、加工精度の甘さ、正直です。 確実に表れます。
たった数年でグラつく。恥ずかしかったけど、椅子は構造的に何処から壊れやすいのか。
ましてや自分が作ったモノ。 これに勝る勉強材料はありません。
分解出来るところは全て分解し、構造部分の経年変化を確認しながら組立てて、
自分自身の再確認にもなりました。
軽く拭いただけでこの艶。 無垢材のオイル仕上げの椅子は、
「使い込むにつれ深みが増し、味わい深くなる」 ホントですね。
一緒に作ったダイニングテーブルは、頑丈にしっかりしていました。
ノーメンテナンスですよ。(笑) と言ってたけど、深みが増しツヤツヤしていました。
嬉しかった。
当時このダイニングセット納品した時、奥様は出産のため留守にしていました。
その時のお嬢ちゃんが、帰る時に 「ありがとう」 って言ってくれた時は、ちょっと涙が出そうになりま
したよ。
これからも家族と共に歴史を重ねていくでしょう。
そして、木工の「傳」 のルーツとなる作品。 これからも見つめていきたいと思います。